☆Mieux vivre avec le Yi King 〜 星マリアの易学研究室☆

Facebook にてHPやブログの更新情報、占術魔術情報、占い鑑定受付情報等配信しています☆
こちらのページ@易の部屋を更新します際にもFacebookにてお知らせ致します。

          -  目次  −

       ☆はじめに☆

       ☆易って何だろう?☆

       ☆易の伝統☆

       ☆周易翼伝☆

       ☆八卦の象の解説☆

       ☆卦、爻、辞の解説☆

       ☆易の基礎用語、術語、知識☆(只今少しずつ更新中です^^)

       ☆星マリアの六十四卦研究室☆(只今少しずつ更新中です^^)

       ☆実際の占い方☆(只今少しずつ更新中です^^)


※このページは少しずつ更新して行こうと思っています。易の部屋及び六十四卦の部屋に関する主な文献に、恩師、高井紅鳳先生著の「易占無限」、
「ダイス占い」「易占講座」、そして高井紅鳳先生の師であります加藤大岳先生著「易学大講座」(紀元書房)、「易の理論」(紀元書房)、
熊崎健翁著、加藤大岳校訂「易占の神秘」(紀元書房)、「易学研究」昭和16年〜平成20年(紀元書房)、黄小娥の易入門に対する批判論評〜
易学研究(紀元書房)昭和37年3月4月5月号、柳下尚範先生著 「易〜占法の秘伝」(国会刊行会)
、「運勢大事典〜易占217ページより柳下尚範
先生担当箇所」(国会刊行会)、高島嘉右衛門著 「高島嘉右衛門占例集」(鴨書店) 「易学通変―奥伝秘書」(紀元書房)、「真勢易秘訣」(紀元書房)、
「易占法秘解」(紀元書房)、「易学発秘師弟問答録」(紀元書房)、「易法口訣」(紀元書房)、
春秋左伝占話考」(紀元書房)、紀藤元之介著「活断自在」
(紀元書房)、柳下尚範先生著「易入門」(紅有社)、小林三剛著、加藤大岳監修「現代易占術」(緑書房)、田中恵祥先生著「易経入門」(ダイヤモンド社)、

「マーフィー易と成功法則」(三笠書房)、公田連太郎著「易経講話」全五巻(明徳出版社)、鹿島秀峰著「現代易占詳解」(神宮館)、
今東光著「今氏 易学史」(紀元書房)横井伯典著「あたる易、あたらぬ易<易入門>のまちがいを正す、何故黄小娥さんの易の見方がまちがって
いるのか?」(久保書店)
  黄小娥著「易入門」(光文社)
黄小娥著「易占七六八の答」(実業之日本社)、平木場泰義著「易経の知識」(神宮館)、
鹿島秀峰「易経精義」(神宮館)、宇澤周峰「易入門」(虹有社)、高島嘉右衛門著「増補 高島易断」(八幡書店)、本田済著「易」(朝日新聞社)、
本田済著「易経講座」(期文会)、金谷治著「易の話」(講談社)竹内好監修、松枝茂夫著「易経(中国の思想)」(徳間書店)
 等を参考資料にして
います。また、高部紅佑先生のお教室で学ばせて頂きました易学の知識やベルギーで縁のありました中国人易占い師の周先生から学ばせて
いただきました知識等も加え、読みやすいように解説して行きたく思います。

                             


 ☆はじめに☆

占術の種類は多々あります。その中でも、私はずっと昔、幼い頃から西洋のタロットを使用し続けて来ました。
他の占術も勿論魅力的なものばかりですが、私にとって、占いとは、ただ当てるだけが目的とは考えていませんでした。
幼い頃から、占う度に、「当たってる!」「当たった!」と、周囲から言われる事はありましたが、ただ当てるだけでは占いの
意味がないように思っていました。 
例えば、自分の生活上に起こる問題、そのひとつひとつを具体的に取り上げて、どうしてこうなったか? 
これからどうなるのか? 今、どうすべきか? 当てるということよりも、寧ろそれらに重点を置かなければと常々感じていました。
ですから、タロットが私にとって、それまでは占術の中で唯一頼れる人生のナビゲーターとなっていました。

後に20歳になりました私は、加藤大岳先生に師事されていらした高井紅鳳先生とのご縁で易と出会い、易こそ私がずっと昔から
求め続けていた占術、と感じました。
「加藤先生曰く、これまでは単に当てることを目標にしていたが、当てるだけでは占術の意義はない。問題の方策を
見い出すことに重を置くべきなのだ。」
その言葉を高井先生から聞きました時、深く感銘を受けました。
私の師匠であります高井紅鳳先生、高部紅佑先生、そして、易が現代に活かされるべき意義を閃明された師匠の師である
加藤大岳先生の説に惹かれ、以後、永く師事しています。40代になり、縁あってベルギーへ越す事となり、そこで知り合い
ました中国人易占い師さんのもとでも修行して参りました。

このページでは私なりに研究し、持っている知識(乏しくて恥ずかしいですが・・・)に自身の見解、経験談等を盛り込み
わかりやすく説明、深堀りして行きたく、いつまでも更新が途絶えることなく現在進行形なページにして行けましたならと思っています。
易は、単に易者だけが独占すべきものではなく、広く一般の方々が、ご自分の為に大いに活用する物と
考えています。 もしもこの拙ページがご縁で易に興味を持つきっかけとなってくださったなら心より幸いに思います☆









  ☆易って何だろう?☆

易とはその昔、凡そ4000年程大昔、中国でできた占いです。
易経ともいい、四書五経、儒教の経書の1つです。帝王学、哲学の書とも言われています。(故に難しく感じるのよね。)
易経の最古の原型は、「連山易」というものだったそうです。これは、まだ人類が山の生活を主とし、狩猟によって生活
していた象徴です。その後、漢民族の祖先が黄河の畔で農耕生活をはじめた頃には「帰蔵易」というものができました。
これは「物、みな土に帰る」という意味になります。それから更に後、周の時代には、ひとつの書物として形態が整って
きます。学問としての体系がほぼ完成します。私が研究していますのはその、「周易」になります。周の時代にできた
書物、易経をもとに完成されたものです。
何故、易経が、中国で長い間儒教の経典として尊ばれるようになったのかといいますと、儒教は日本でも大変
影響を与えた思想で、孔子が始祖であり、その根本の思想は「仁」にあります。
仁とは親愛の情で、それは先天的に人間が天から与えられたものであり、これを充たして行く事が、人間の道であり、
また、仁道を行うこととなるのです。それを行うには常に反省し、自身を修養して行かなければならず、行動する時は、
当然礼を正しく振舞えなければならないのです。
そのようなことから、古代中国の主君が挙って学んだ帝王学の書なのです。
また、人が本当に困った時、迷った時、古代中国人の人々は、1つの未来学(時の変化の原理原則)を生み出しました。
それが易という学問なのです。
易は宇宙を一貫する道を明らかにする哲学でもあるのです。 翼伝の中の繋辞上伝に
「易に太極あり、これ両儀を生ず。 両儀は四象を生じ、四象は八卦を生ず。八卦は吉凶を定め、
吉凶は大業を生ず。」
とあります。
人間を含め、全ての根元は宇宙の混沌とした太極のもとにあり、太極の変化によって、自然が変化
していく物と考えました。
太極はまず、の2つに分かれます。これが両儀です。
分かれた陰陽は、陽中の陽(老陽=二本の陽が重なったかたち) ・ 陽中の陰(少陰=上が陰、下が陽のかたち) ・
 陰中の陽(少陽=上が陽、下が陰のかたち) ・ 陰中の陰(老陰=二本の陰が重なったかたち)の
4つに変化しその4つを繋辞上伝でも述べている四象といいます。またその四象つが八つの形に変化し、
 ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  の象、八卦となるのです。
更にこれらを上下として組み合わせると六十四の卦ができます。
この卦によって森羅万象すべての運命を判断しようというものなのです。
また、一つの卦は、陰陽六爻からできています。
その六爻ひとつひとつが重要な意味を持つので、最終的に、易で占う結果は384種類にもなるのです。
当たるも八卦、当たらぬも八卦という言葉は、ただ単に、六十四卦として組み合わさる前の、八つの形のみを
表す、易でいうと、ほんの上澄みの部分にすぎないわけなのです。







  ☆易の伝統☆

★易という文字の起源
  
字源については二通りの説があります。 一つは蜥(せき)易説であり、もう一つは日月易説です。
蜥易説では、易の象がトカゲを表すという説で、上の日は首を象り、下の勿は四足を象っったと
されています。 
トカゲは一日に12度も色を変えるので、  易(変化するということ)というのが、周易の義でも
ここから出たのだろうとされています。
人が長い人生の間で、遭遇するさまざまな変化に対応し、生活して行く事への正しい対処方法を
教える為のものと考えられたのです。
日月説というのは、日は陽を、月は陰を象るものであり、その二つを合わせた文字が易だという説です。

易の解釈は、後漢の鄭玄が説いています。易は一言にして三義を含み、それらは易簡変易不易
表すといいます。
易簡は、易は自然界の原則を陰陽で説明しているのですから、簡単でわかりやすく、
従いやすいということです。
変易は、自然界は、春夏秋冬に移り変わり、昼夜の移り変わり等、全て変化し、瞬時でも
変化しないものはなく、易はその変化を説き、それに対応する  方法を教えるものだという
ことです。
不易は、自然界の万物は、全て瞬時といえども変化してはいるが、そこには一定不変の法則
があり、易はその変化の中にあり、一定不変である法則を  とくものであるということです。
要するに、易というものは、簡単ではあるが、複雑な変化があり、そこにはまた、
一定の不変の法則があるというものなのです。
また、易の解釈には時の3要素(空間要素も含みます)を見極める事が大事でその3要素とは、
となります。は時期・時機・兆しであり、は環境・状況・場所であり、は位置、地位、立場などになります。
易は、現在置かれている時を見極め、将来の兆しを観る為の、時と兆しの書、ともいえるのです。


 









   ☆周易翼伝☆

翼伝というのは、経文の理解を助ける書物で、経文を鳥の胴にたとえれば、翼伝は鳥の
翼の役にあたる書物です。
ちょっと難しいのですが、これらの書物は易がどういう物であるかを理解するために、
無くてはならない書物で、普通は経文と一つにして、「周易」と言います。 
全部合わせると10篇になるので、「十翼」ともいわれます。 参考までに簡単に記しておきます。
 
★繋辞伝上・下〜

翼伝の中でも特に重んじられている書物です。易とはどういうものかを説明しています。
その説明は哲学的であり易が経としての権威を確定したのも繋辞伝がある事による
ものとさえ言われています。
 「易は天地と準う、故に能く天地の道を弥綸(統括)す」とあります。易は自然の法則に
則ってできていることを表わします。さらに、易の機構説明や、易は何の為にあるのか、
どう、私達の生活に縁が深いものであるかを懇切丁寧にしかも格調高く説いています。

★彖伝上・下〜・

64卦の占いの辞の意義を説いたものです。

★象伝上・下〜

大象と小象に分けて説明しています。大象は、前半で卦の説明をし、後半ではそれと
関連しながら私達はどうあるべきか、この時において何をすべきか等を述べています。

★文言伝〜

64卦の中で、特に代表的な卦と言われる、乾為天、坤為地の二つの卦を取り上げ、
儒教の思想をもって、念入りに説明した物です。

★説卦伝〜・・・・・・・・はじめに易の説明をし、続いて八卦の詳しい説明をしています。

★序卦伝〜・・・・・・・・易経の経文で、64卦の配列の順序について説明しています。

★雑卦伝〜・・・・・・・・

64卦の順序をばらばらにして、相転倒した象の卦を一対にして、それぞれ一卦の
特色といえる一点をとらえ、短い辞で説明しています。 これは、占断する時、
そのまま用いられる事がありますので、八卦の象と同時に覚えておくと便利です。
 (八卦の象についての詳しい説明は後ほど書きます)







    ☆八卦の象の解説☆

    自然界の全てのものは、陰と陽に別れていて、易は、其々を八卦に当ててみていきます。
    八卦の象は大変重要で、易のベースとなります。八卦の象を、上下に組み合わせると、8×8=64卦が
    出来上がるのです。 ここでは簡単に八卦の象の解説をしていきたいと思います。

    1. (乾=けん)
       
        卦名は乾。正象は天。卦徳は円満、健全。 五行(後述)では金。
        乾の象意は、おおむね次のように分類できます。
        ★乾の正象は天とし、尊いもの、高いもの、広いところ、大きなもの、円いものである。
        ★乾は、陽の代表的な卦ですので、堅いもの、充実しているもの、明るいもの、
         動くものとする。
        ★陰の代表的な卦の坤と対照した見方、坤の従に対し、乾は主とする。
        「人」 天子。大臣。君子。上司。 資本家。神官。父。夫。先生。男性
        「人体」首。頭。骨。肺。
        「場所」都会。神社。天空。宮城。郊外。海。大川。
        「物」宝石。貴金属。木の実。濃め。氷。ビル。貨幣。鉱物。乗り物
        「動物」竜。寅。獅子。馬。
        「季節」晩秋から初冬にかけて(10月、11月)
        「時間」午後七時から十一時までの4時間
        「方位」西北方
        「天気」晴れ。夏は夕立。冬は厳しい寒さ
        「物価」上がるとする。時には、今が絶頂期でまもなく下がる場合も。
        「病気」伝染病。高熱。神経系。頭部の病気。肺病。便秘。食欲不振。
        「症状」激しく、急性のものが多い。
        「味」辛い
        「色」白、金色
        「数」一。 五行の数は四と九。

    2. (兌=だ)
    
        卦名は兌。正象は沢。卦徳は悦。五行では金。
        兌の象意はおおむね次のように分類できます。
        ★兌の正象は沢とするので、見ずに関係のあるもの、水を貯えておくもの。
        ★二陽の上に一陰が乗って喜んでいる象。
        ★前が開いている象なので、口に関するものとする。
        「人」少女。巫女。声優。水商売系の人。商人。色っぽい人。
        「人体」口。肺。歯。
        「場所」娯楽街。キッチン。バスルーム。くぼ地。沼沢地。レストラン。谷。
        「物」刃物。食べ物。壊れた物。トランプ、カード。金物。
        「動物」羊。豹。猫。子犬。虎。川魚。美しく囀る小鳥。
        「季節」秋(9月)
        「時間」午後五時から七時までの間の二時間。
        「方位」西方
        「天気」もうすぐ雨になりそうな曇り
        「物価」低値保合いとする。
        「病気」肺。呼吸器。婦人科系、血行不順。打撲。
        「症状」長引く傾向あり。
        「味」辛い
        「数」二。 五行の数は四と九。
        
    3. (離=り)

        卦名は離。正象は火。卦徳は明智。 五行では火。
        利の象意はおおむね次のように分類します。
        ★離の正象は火とするので、火に関係するもの、明るいもの、見るもの、美しいもの、
         鑑別するもの、勢い激しいもの、転々と移り動くものとする。
        ★真中が陰ですので、中身が柔らかく、外が固いもので包まれているもの。
        ★坎の冬に対し、離は夏とみる。
        「人」美人。学者。芸能人。文筆家。判事。警察官。消防士。
        「人体」心臓。目。
        「場所」劇場。灯台。病院。図書館。消防署。裁判所。警察署。
        「物」書物。文書。印鑑。絵。 ライター。カメラ。眼鏡。薬品。貨幣。花。
        「動物」蟹。亀。孔雀。雉。蛍。
        「季節」夏(6月)
        「時間」午前十一時から午後一時の間までの二時間
        「方位」南方
        「天気」晴れ。 夏は旱魃の恐れも。
        「物価」上がるとする。
        「病気」心臓病。目。高熱。不眠症。便秘。火傷。
        「症状」熱が高く、意識を失うことがあったり、病状は安定せず。楽観は禁物。
        「味」苦い
        「色」赤
        「数」三。 五行の数は二と七。

    4. (震=しん)
       
        卦名は震。正象は雷。卦徳は奮動。 五行では木。
        震の象意はおおむね次のように分類します。
        ★震の正象は雷とするので、驚くこと、騒がしいこと、音を出すもの、響き伝わるもの、
         電気に関係するもの、清新なものとする。
        ★勢いのあるもの。積極的。一陽が二陰の上に踊り出ようと奮闘する様。
        「人」長男。皇太子。青年。著名人。アナウンサー。楽器関係の人。神経質な人。 
        「人体」肝臓。神経。足。
        「場所」震源地。放送局。電話局。音楽会場。道路。森林。クラブ。
        「物」音を発するもの全て。竹。ソーダ水。蓋のない容器。
        「動物」馬。竜。
        「季節」春。(3月)
        「時間」午前五時から七時までの二時間。
        「方位」東方
        「天気」晴れ。雷を伴う。天変地異では地震。
        「物価」動きがあり、どちらかといえば高いほうへ進む。
        「病気」神経症。てんかん。肝臓病。足の病気と怪我。
        「症状」突発的で激しい。手術を要する事も。
        「味」酸味
        「色」青
        「数」四。 五行の数は三と八。
        「その他」驚くわりに実害がない。

     5. (巽=そん)

        卦名は巽。正象は風。 卦徳は伏入。 五行では木。
        巽の象意はおおむね次のように分類します。
        ★巽の正象は風としますので、風に関係するもの、動揺するもの、軽いもの、
         長いもの、香り、匂いを意味する。
        ★乾の中に始めて一陰が交わったもので、基礎の弱いもの、下が開いている柔らかい
         ものとする。
        ★説卦伝に記述されていて、利益が多いものとする。
        「人」長女。愛人。技術者。外交員。 髪が少ない人。決断力のない人。白目の多い人。
        「人体」肝臓。呼吸器。腸。股。
        「場所」道路。飛行場。店舗。家の出入り口。
        「物」扇風機。風鈴。木工品。飛行機。材木。
        「動物」鳥。蛇。とんぼ。豚。
        「季節」晩春から初夏にかけての間。(四月。五月。)
        「時間」午前七時から十一時までの四時間。
        「方位」東南方
        「天気」風吹く日。曇っても雨は降らない。春から秋は強風を伴う雨があるとする。
        「物価」浮動して安定しないが、やや下がり気味。
        「病気」インフルエンザ。呼吸器。気管支炎。 腸。下痢。肝臓。
        「症状」一進一退し、不安定。
        「味」酸味
        「色」青
        「数」五。 五行の数は三と八。
        

     6. (坎=かん)

        卦名は坎。 正象は水。 卦徳は陥険。 五行では水。
        坎の象意はおおむね次のように分類します。   
        ★坎の象意は水に関するもので、水状(液状)のもの、冷たいもの、川の流れのように
         長いもののする。
        ★坤の間に一陽包む象であり、二陰の間に一陽が落ち込んだ象とする。
        ★離の日に対し、坎は月とする。
        「人」中年。思想家。法律家。宗教家。学者。信念のある人。色気のある人。
        「人体」耳。腎臓。
        「場所」海。川。井戸。温泉。地下室。水源地。宴会場。
        「物」車。水道。飲み物。とげのある草木。弓。毒。
        「動物」馬。狐。豕。魚。貝。
        「季節」冬(12月)
        「時間」午後十一時から午前一時の二時間。
        「方位」北方
        「天気」雨、または雪。 雨が降りそうな曇り。
        「物価」下がる。 時には今が底値ということも。
        「病気」耳。出血。中毒。腎臓。下痢。
        「症状」伊丹が伴う苦痛なもの。冷え性等。
        「味」かん味
        「色」黒、赤
        「数」六。 五行の数では一と六。
        「その他」妊娠の卦。

    7. (艮=ごん)

        卦名は艮。 正象は山。卦徳は静止。 五行では土。
        艮の象意はおおむね次のように分類します。
        ★艮の正象は山とするので、山に関係のあるもの、例えば高い所、高尚なもの、
         止まって動かぬものとする。
        「人」少男。少年。頑固な人。 高級思考の人。
        「人体」身体。背。肩。鼻。手。関節。消化器。
        「場所」城。家。墓。階段。路地。高い所。宿舎。
        「物」門。屋根。不動産。棚。仏壇。壁。果実。
        「動物」牙のある動物。角のある動物。犬。
        「季節」晩冬から初春にかけての間。(一月、二月)
        「時間」午前一時から五時までの四時間。
        「方位」東北方
        「天気」曇るが雨は降らない。長雨の時期なら雨が止んで晴れることも。
        「物価」高値待合とする。
        「病気」鼻。背。腰。肩。関節。打撲。腫れ物。麻痺。血行不順。
        「症状」急変はしなくても、徐々に衰える。
        「味」甘い
        「色」黄色
        「数」七。 五行の数は五と十。
       
        
    8. (坤=こん)
   
        卦名は坤。正象は地。卦徳は柔順。 五行では土。
        坤の象意はおおむね次のように分類します。
        ★坤は正象が地ですので、低いもの、包容するもの、平らなものとする。
        ★坤は陰の代表的な卦ですので、柔らかい、細い、暗い、動かないものとする。
        ★乾と対照した見方をする。
        「人」臣。婦人。大衆。秘書。母。妻。女性
        「人体」腹部。胃。腸。
        「場所」集会場。倉庫。陸地。田舎。
        「物」布類。土で作ったもの。家財道具。容器。肌着。スカート。粉状のもの
        「動物」牛。虎。牝馬。豹。魚。
        「季節」晩夏から初秋にかけて(7月、8月)
        「時間」午後一時から五時までの四時間
        「方位」西南方
        「天気」曇り。
        「物価」下値保合いとする。
        「病気」消化器系、過労。虚弱体質。ストレス。
        「症状」そ即治困難の場合が多い。
        「味」甘い
        「色」黄色、黒
        「数」八。五行の数は五と十

        ※五行について 〜 五行というのは東洋運命方術の根幹とされるものの一つで、
                     全てのものを五つに分類し、みる見方です。
                     木、火、土、金、水がそれであって、八卦を五行に当てると震と巽が木、
                     火は離、土は坤と艮、金は乾と兌、水には坎が配当されます。
                     易の数は卦を起こす時に用いるほかに、数に関する占いをする時に
                     用います。 但し、その場合は、易の数を用いるか、五行の数を用いるか、
                     はじめからどちらかに決めておいた方が良いです。
        







     ☆卦、爻、辞の解説☆

       易の経文は、乾為天から離為火までの三十卦を上経とし、沢山咸から火水未済までの
       三十四卦を下経とし、上下に分けられ、計六十四卦あります。
       
       普通、街の易者さんなどに見かける易経は、乾為天、坤為地の卦のところに、翼伝の文言伝が入っていますが、
       他の卦は下に示すような順序になっています。 例として水雷屯をあげてみようと思います。
 
        水雷屯(すいらいちゅん)  震下坎上。 屯。
       屯。 元亨利貞。 勿用有攸往。 利建侯。
       彖曰。 屯。 剛柔始交而難生。 〜
       象曰。 雲雷屯。 君子以経綸。
       初九。 磐桓。 利居貞。 利建侯。
       象曰。 〜

        は、六十四卦の卦象であって、屯(水雷屯すいらいちゅん)の卦象です。
       次の、屯。とあるのは、大成卦のこの卦の卦名です。
       卦名の次に記された辞を、「卦辞(かじ)」または「彖辞(たんじ)」といいます。
       彖は決断、断定、断の意味です。卦辞は六十四卦の一卦毎にあり、その卦義を表現した言葉です。
       次に彖曰(たんにいわく)とあるのが、彖の説明です。
       次に象曰(しょうにいわく)とあるのが、象伝中の「大象」です。 前半は卦の説明、
       後半では私達はどうあるべきか、何をするべきかということを説いています。

       次に初九(しょきゅう)とは、初爻(しょこう)のことで、六本あります一番下の横棒を差します。とは交であり、
       陰と陽2種類の記号の変化結合によって、その性質の吉凶などを示し、その変動によって天下万物の
       動きを説き示すものなのです。
       卦を構成する陰陽六本の爻はそれぞれが位を表し、下から順に、初爻、二爻、三爻、四爻、五爻、上爻と呼び、その爻の位に
       よって運命が変化していきます。(下記大成卦の象をご覧下さいませね)
       卦が運勢全体の意味を表すのに対して、爻は運勢をより詳しく、時間的な変化やその時々に取るべき対策法を示したり、
       方向性を示してくれる重要な役割を担っています。
       なので卦だけでは運勢の総括的、大まかな概要しか判断できず、更に爻を知ることによって、運勢がどのように変化して
       いくか、細部にわたり具体的に判断することができるのです。爻は、時と兆しを洞察する為の重要な手がかりとなるのです。
       

★大成卦の象
大成卦は八卦の小成卦を上下重ねたもので、六十四卦あり、上の卦を外卦(又は上卦)、
下の卦を内卦(又は下卦)といいます。
易経文の辞の中で、上とか外といえば外卦、下とか内というと内卦のことです。
占法上でも外、内卦に分けて見ることがよくあります。
大成卦は陰陽六本で卦象を表しています。そして、その一本一本が爻(こう)とよばれます。
重なった六本の陰陽を下から準に上へ、初爻、二爻、三爻、四爻、五爻、上爻と読んでいます。
易経では、特に陽の爻の場合は九で表し、初爻の位置にあれば初九、二爻にあれば九二、三爻に
あれば九三、四爻にあれば九四、五爻にあれば九五、上爻にあれば上九といい、
陰の爻の場合は六で表し、下から初六、六二、六三、六四、六五、上六といいます。
大成卦の正位につきましては後ほど説明します。
経文の中で、初九(又は初六)等、爻を示した下に記されている辞を「爻辞」といいます。
これは、卦の中の六つの爻について、それぞれにつけられた辞です。
爻辞は各爻の意義や性質、処、立場などの詳細に表現、吉凶を断じ、進退変化などを表したものです。

上爻

五爻

四爻

三爻

二爻

初爻

  
伏卦について〜 

占いで得た爻を変じる見方で、(陽の爻は陰に変じ、陰の爻は陽に変じる見方) 
例えば、乾為天の九三を得た場合、三爻を変じると、天沢履という卦が出てきます。 
この卦を大岳易では「伏卦(ふっか)」といいます。この卦は得卦の状態から、伏卦の
状態に変わる可能性が多い事を示したり、あるいは、表面に現れない、隠れた
事情としてみたり、教訓として受け止めたり、占いの内容と、得卦に合わせ、判断して
いきます。私も占いの際、この伏卦をポイントとして押さえます。 








      
    
      ☆易の基礎用語、術語、知識☆


★中庸について★

易は中を尊びます。中とは可不及のない事です。何事も過ぎるのは宜しくなく、過ぎたるは猶及ばざるが如し
という言葉もありますように、過ぎることは慎まなければなりません。陽が過ぎても、陰が過ぎても宜しくない
のです。良過ぎても、悪すぎても宜くなくて、バランスが大事になります。
「君子は中庸す、小人は中庸に反す」と、「中庸」にあります。中徳とは中庸の徳で、私の六十四卦の
解説にもよく出てくる言葉です。
また、中は、天地の間にあって、陰陽二気の合一を意味します。陰陽が融合され合体されて、生生
し、化育するみちを進むことです。人間でいえば、肉体と精神の融合です。徳と才能の融合ともいえます。
精神だけ有って肉体がなければ中ではなく、肉体だけあって精神がなければ中ではなく、互いに両者が
融合するところ、和するところが中です。


★時中について★

時中とは、易の最も大切な要となります。時中なんてあまり聞いたことがないかと思います。
時流でしたら聞いた事がありませんか?企業経営者などが、「時流に乗りなさい」と、言う事もありますが、
時流とは、時の流れ、世の中の傾向、トレンドの事です。上昇する流れ、わかりやすく言うと、
バブルの頃の上昇の流れです。人は常に上り調子の事を追い求めますが、時流を追い求めると、
やがて破綻する時が来ます。良い時というものはそう長く続くものではなく、常に変化し、ピークになると
今度は下り始めます。世の中の傾向、流行、トレンドはそう長く続かず、永遠ではないですよね。
ですから、時流に乗ってはいけないですし、危険なのです。
易では時流ではなく、時中が要と教えています。「中庸」に、「君子の中庸は、君子にして時中す。」とあり
ます。時中とは、その時々の状況において、正しく適応し、処する解決策の事です。それは固定的
ではなく、時と処と位によって変化するのです。五の力を用いることが時中の場合もあれば、八、
または十が時中の場合もあります。例えば時流は波に乗って上り調子を追い求める事ですが、
時中は上り調子の時、ピークの時、下り調子の時、どん底の時等、夫々の段階において、正しく適応して
やるべきことをやる、処する事をいいます。人生はご存知のように良い時ばかりではありませんよね。
実際に、どん底の時も人生にはあります。所謂凶の時ですね。普通、人は吉の時に喜び、凶の時に
嫌がりますが、吉にいる、ということは、将来凶に向かう流れとなりますし、凶の時は吉に上って行く事
になります。ですが時中、時に当たっている、という事に正しく適応して処するならば、吉をできるだけ
維持しようと処しますし、凶から吉に上がって行く事も可能です。例えば四季がありますが、春には春の、
夏には夏の、秋には秋の、冬には冬のやるべき事がありますよね。春には種を蒔き、秋には収穫
しますが、冬に種を蒔いても芽は出ませんよね。春に種を蒔く事が時中、的中している事です。
中とは、先にも申しましたように、中庸の事です。中庸は可不及がない、という意味です。
しかし、時中の中は、その時々にぴったりと的中している、ということですから、例えば夏に暑くも
寒くもなかったら、それは中ではなく、暑すぎるくらいが夏で、時中となります。冬も、寒すぎるくらい
寒いのが冬で、時中となります。時中とは、その状況(例えば暑い夏)に正しく適応する、解決策の
事です。こういう時にはこのように処しなさい、という事が、易には書かれていまして、そのようにすれば
順境も長持ちし、逆境も長く苦しむ事がなく、物事はスムーズに進むということを説いているのです。
ですから、時流に乗ることは危険で、時中をしっかり見定める事が大事になるのです。
例えば雷山小過という卦があります。小(陰)が過ぎる意と、少しく過ぎる意の卦で、中を尊ぶ易は、
この卦におきまして、小しく過ぎる事を宜しいとしています。君子はその行いを恭敬に過ぎるくらいに
し、喪に当たっては悲しみに過ぎるくらいにし、用度については倹約に過ぎるくらいにする、という
のです。少しく過ぎることによって、かえってそれが時中となる、と、いっているのです。
善悪の中間にいることが、中ではなく、雷山小過の卦の場合、善に過ぎることが時中なのです。
それが正しく適応することであって、解決策となるのです。
私は大変景気の良かったバブルの時代を知る者ですが、あの時、時流に乗っていた方の殆どの方が
破綻してしまっています。時流を追うと、時流に流され終には破綻します。バブル景気に流されず、
時中を観て冷静に判断適応した方は、今もご活躍されています。




     ★吉、凶、悔、咎、吝、氏@について

      吉      〜 言うまでも無くよろこび、めでたい、良いこと、失わないことを表します。しかし、吉に
                喜び調子にのって慢心していると、吝↓へ進むことになります。

      吝(りん)  〜 ものおしみする、ケチる、間違ったり過失をしても改める事を惜しむことです。 
                吉で調子に乗り、驕り高ぶり善意を冷静に判断できなくなって、改めることをしないうちに
                悪い方(↓凶)へ向かってしまうのです。

      凶      〜 吝で驕り高ぶり、改めを惜しんだ結果、災い、災害、損失、不吉、不祥事、害を被ること、
                悪いことを表します。

      悔(かい)  〜 凶になり、残念がって悔やむことを表します。 おかした過失を謙虚に反省することで、
                吉へと進んで行けるのです。 

      咎(とが)  〜 過ち、災いを表します。 咎なし、とあるのは、後悔して、あるいは危ぶんで過ちを改める
                 こと、過ちがないようになることを表します。

      氏iあやう)し 〜 危険、危ない、災い、激しいことを表します。



     ★爻の位、応、比について

水火既済  爻 ☆大成卦の正位 〜 初爻の陽、二爻の陰、三爻の陽、四爻の陰、五爻の陽、上爻の陰が正しい定位に
              あるとし、六十四卦の中では左に表しました卦の水火既済の卦だけが六爻全て正位を
              得ています。また、上下の爻は陰陽すべてが比しています。 そして応爻も陰陽応じて
              います。疑うものはなにひとつない完璧な卦になります。それ故、既にととのう
              という、既済という卦名がつけられているのです。

☆大成卦の三才 〜 初爻、ニ爻を地の位とし、五爻、上爻を天の位とします。そして地に足をつけ天を
              仰ぎ生きている私達が、三爻、四爻の人の位、人間なんです。 三才とは、
              天・人・地、人が天と地の恩恵を受け生活している姿を表します。

☆大成卦の応爻 〜 大成卦を上卦、下卦に分け、小成卦の三才の位の上で、地の位同士、人の位
              同士、天の位同士各爻がそれぞれ応じ合うことをいいます。上卦の初爻(四爻)と
              下卦の初爻が陰陽となっている時は応じているといいますが、陰陰、陽陽の
              場合は不応、敵応、害応といいます。(初爻と四爻の他、二爻と五爻、三爻と上爻を
              応爻といいます。この応の中で二爻と五爻の相応ずるものを一番重く尊重します。
              相応じている時は、お互いが助け合え心が通じ合えることを意味しますが、不応
              の場合は通じ合えないのです。(左に表しました水火既済の卦は全て陰陽応じて
              います)

☆大成卦の比爻 〜 例えば初爻と二爻ですとか、二爻と三爻というように、隣の爻と陰陽関係にある場合を
              「比している」、「比爻」といいます。(左に表しました水火既済の卦の爻は全てが
              比しています)隣の爻と陰陽になっていない場合より比している方が縁が深いと
              みます。応爻を親戚関係とすれば、比爻は近類関係ということになります。
              応爻の方が比爻より深い縁があるとみます。「承(しょう)」、「乗(じょう)」
              というのは比爻の関係で、下の爻から上の爻をみた場合、下の爻は上の
              爻を承(う)けるといい、上の爻から下の爻をみた場合、上の爻は下の
              爻に乗るといいます。陰の爻を中心に、「乗る」ですとか「承ける」という
              のです。

☆中と正      〜 易は陰陽定位を重視しますが、更に中庸の「中」を一層重んじます。「中」とは
              大成卦では二爻と五爻、内外卦の中爻で、二爻と五爻は中を得ていると
              いいます。 ニ爻は陰の定位ですから、陰爻の場合は「柔順中正」といい、
              陽爻の場合は「剛中」といって「正」にはなりません。
              また、五爻は陽の定位ですから、陽爻の場合は「剛健中正」といい、陰爻の
              場合は「柔中」といい、「正」とはいわないのです。二爻、五爻はどの卦に
              おいても「中」を得ているわけなので、たとえ位が当たっていない場合でも
              あまり悪くはみないのです。
              「正」とは、大成卦の正位でもお話しましたとおり、水火既済の卦だけが
              六爻全て正位を得、逆に未完成を表す火水未済の卦は六爻全て「不正」の
              爻となります。 殆どの場合正は吉、不正は凶とみます。



上爻
五爻



四爻
三爻



ニ爻
初爻

 
 
               
                ☆過、中、不及  〜 過とは、中を超えた三、上爻をいいます。  中とは、内卦、外卦の中爻を
                              いいます。不及とは、中の下の初、四爻をいいます。 ただし過不及もその
                              卦により例外がありますから固定的には考えません。

                ☆位に当たる   〜 陽位に陽が正しくある場合、陰位に陰が正しくある場合を、「位に当たる」と
                              いいます。反対に、陽位に陰がある場合は「位に当たらず」というのです。

                ☆卦極       〜 卦の一番上の爻、上爻のことです。 埒(らち)外といって、物事の行き過ぎ
                              を意味する場合と、運気の転換期、完成を見る場合があります。ですので
                              いちがいに悪いとは言い切れないのです。


        
     ★六爻の性質、吉凶について

     初爻(初九) 〜 陽の位、第一爻目です。物事の始まり、出発、まだ何事も深くなく、善悪、吉凶どちらにもならない
                時点、場所。 そして不及の爻。 二爻と五爻の応爻は吉とみて重要視されますが、それに次いで
                この初爻の陽です。 陽の上の陽爻は正位を得ていますが、三才からみると、地の下で、地上には
                出ていません。 全て事をする時は慎重にして貞に利し。

        (初六) 〜 陽の上の陰爻なので鈍く、愚かで弱く、悪く見ることが多いです。

     二爻(六ニ) 〜 易では最も中庸@中を尊びます。この爻は下卦の中爻であって陰の位です。なのでここに陰で居る
                ということは位が正しく中正であり柔順、中庸の徳があることになります。 人や時に素直に従い行く
                事が本分の時。どちらにも偏らず、中庸、中道を守る時です。

        (九ニ) 〜 陰の上の陽爻で居た場合は不正になりますが、たとえ不正でも中を尊ぶので悪く見ることはなく、
                中徳をもった臣として咎められることはないのです。


     三爻(九三) 〜 内卦の極であり陽は正位を得ています。しかし、三才では人位になり、しかも人位の下位です。そして
                内卦から外卦へ移り進もうとしているところになります。 陽の上の陽爻ですから過剛の爻。何事も
                行き過ぎ、やり過ぎ、驕り高ぶる爻で、凶意が強いとみます。

        (六三) 〜 陽の上の陰爻で内卦の極。陰なので力が弱いのに高位にいるのでその進退が危ぶまれます。
                また、女性の場合は節操がないとみることが多く、戒慎を望む爻でもあります。

     四爻(六四) 〜 五爻の天子の爻に接している爻で人位の上の爻で、大臣の場所になり、正位は陰です。 陰の上の
                陰爻の大臣は巽順ですが、その頼りなさを自覚した時に応爻である初九を引き上げ職務の責任を
                果たすのです。

        (九四) 〜 陰の上の陽爻の大臣なので、その位に甘んじ驕り高ぶるり行動に節度を欠き、信用を失ってしまうことに。
                いずれにせよ人位は安泰を保つことが難しい爻となるのですね。

     五爻(九五) 〜 外卦の中爻で天子の位です。陽の上の陽爻で、応爻の二爻と陰陽応じている陽の徳のある爻で
                二爻の従順中正に対し、剛健中正の天子として尊ばれます。

        (六五) 〜 陽の上の陰爻で不正だが、易では中庸、中を尊びますので、柔中の徳を持った天子として尊敬され
                あがめられる爻なのです。

     上爻(上六) 〜 上爻は卦の極であって、陰が正位になります。 極は物事の終わりであり、解決の時ともみますが、
                変化波乱を含んでいる爻でもあります。過の爻なので行き過ぎとみたり、攻撃の的とされたり、
                後悔しても遅いともみますが、凶事は解けるともみます。 また、卦の極なので埒外にあるともみます。

        (上九) 〜 陰の上の陽爻で不正であって、五爻の天子の上の爻で、天子の師とみたり、傲慢で危ないともみたりします。

     
     *ただし、何れの爻であっても、以上の性質吉凶についてはひとつの概念で、例えば二爻であっても水沢節の
      「門庭に出でず。凶。」もありますし、上爻であっても、水山蹇の「往けば蹇み、来れば碩いなり、吉なり。大人を
      見るに利ろし。」のような例外もあります。
     


      ★ 爻位による配当

       例えば、一卦を国家、会社、家族などに当てた場合、各爻をその中の部位にそれぞれ当ててみる方法があります。
       こちらでは基本的なものを紹介します。

↓国家の場合 ↓会社の場合 ↓家族の場合 ↓都市の場合 ↓人体の場合 ↓年月の場合
上爻 〜 元老 会長 祖父母 郊外 首、頭 11、12月 〜 上爻
五爻 〜 首相 社長 首都 胸、背 9、10月 〜 五爻
四爻 〜 大臣 重役 大都会 7、8月 〜 四爻
三爻 〜 知事 課長 兄、姉 股、腰 5、6月 〜 三爻
ニ爻 〜 市町村長 係長 自分 3、4月 〜 ニ爻
初爻 〜 国民 社員 弟、妹 足首 1、2月 〜 初爻


      ★帰魂の卦、遊魂の卦について

      上卦(外卦)と下卦(内卦)が相等しくなる卦を八純卦といいます。(乾為天、坤為地、巽為風、艮為山、震為雷、坎為水、
      兌為沢、離為火の八卦) また、五爻が変じることによって八純卦になる卦のことを帰魂の卦といい(地水師、水地比、
      天火同人、火天大有、沢雷随、山風蠱、風山漸、雷沢帰妹の八卦)、帰魂の卦の下卦を裏返したものを遊魂の卦といいます。
      (水天需、天水訟、山雷頤、沢風大過、火地晋、地火明夷、風沢中孚、雷山小過の八卦)
      この、帰魂の卦、遊魂の卦というのは元来「断易」(五行易)の卦の見方から来るものですが、病占いの際、帰魂の卦
      を得た時は、その人の寿命の終わりが近いことを表し、重患の症とし長く患っている時は特に危ないと見ます。また、遊魂の卦を
      得た時は、死人が未だ成仏していないことを表しますので(霊魂がフワフワ宙に浮き迷う)速やかに仏事供養を生すべきとし、
      また、生きている人の場合はその人生は屍のようで、精神的に空虚、心此処にあらず、呆然自失の状態にあるということを
      表します。
      また、天地否、雷山小過、沢地萃、地水師、雷地予は、墳墓の卦象とされますから、重患の際は注意して見ます。












    ☆実際の占い方☆        

立卦法、筮法には3種類あります。そのひとつの本筮は、あまり立てる人はいないと思います。
まず最初に一番簡単で初心者の方にも理解しやすい略筮法又は三変筮法からご紹介致します。
筮竹以外でも、日常的に外出中でもどこでも易を単に立てたいと思う方は、易占用の八面サイコロを
お薦めしますが、普通の六面サイコロ一つ、若しくはコイン6枚で充分占う事ができます。 
後に、筮竹や算木などを使用した筮法も紹介ていく予定です。

☆サイコロでの立卦法 

筮竹を持っていない人や、外出先等で筮竹が手元にない場合は、いつでも易占が
できるように、六面のサイコロを用意しておくと大変便利です。 
筮具はたとえサイコロであっても、占う場合は占う人も占ってもらう人も、筮竹で
占うのと同じ敬虔な気持ちを失ってはいけません。
占い方は、手の中にサイコロを握り、心を静め、軽く目を閉じ、占う事を一心に念じ、
精神統一ができた瞬間、サイコロを軽く投げてみます。 
1、3、5の奇数が出ましたら陽を置き、2,4,6の偶数が出ましたら、陰を置きます。
その出た陰陽の記号どちらかを、紙に記入します。
最初は初爻として一番下に記し、二回目からは、順次出た数によって、陰陽の
記しを下から上へ加えていくと、6回投げる事によって、大成卦を得る事ができます。
(卦、爻、辞の解説に大成卦の象について書かれています)
そして7回目に出た数が爻を示すのです。 1なら初爻、2なら二爻、6なら上爻です。
                 

☆コインでの立卦法  

10円玉5枚と100円玉一枚を用意し、この全ての6枚の硬貨を両手の中に入れ、
占うことを思い浮かべながら念じ、心を沈め、精神統一します。よく振り交え、
精神統一ができた時、振ることをやめ、下から上へに縦に硬貨を並べて行きます。
硬貨の表を陽とし、裏を陰とします。そして100円玉があるところが爻位となります。
硬貨は「日本国」とある方が表で陽、裏が陰です。

                                     
例 : 兌為沢 初爻


☆略筮法 又は三変筮法 = 占事の可否、良否を見る時に用いる筮法 

赤と黒の八面体サイコロ2個と六面体のサイコロ1個、合わせて3個のサイコロを用意します。これは、同時に転がして
出たサイコロの目で判断する方法で、八面賽占筮法として専門家の間でも普及している方法です。
この方法ですと、八面体に出たサイコロの目1・2・3・4・5・6・7・8を、乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤に対応させて、1=乾、
2=兌のように、簡単に八卦二つが得られるわけです。(八面体サイコロの中には数字ではなく八卦の卦名が記されている
ものもあります)その場合、常に赤のサイコロを内卦(下卦)、黒のサイコロを外卦(上卦)として大成卦を作ります。
同時に振って出た六面体のサイコロの目は爻に当てます。初爻から上爻までの六爻のどれかに当たりますから、
例えば3が出れば、その卦の三爻を指すことになります。


☆中筮法 又は六変筮法 

占事の成り行きを見るときに立てる筮法です。江戸時代の易学者真勢中州先生は「真勢流」としてよくこの中筮法を用いています。

例: このふたりの結婚は良いか悪いか = 略筮法でみます。

このふたりの結婚後はどういう状態に成るか = 中筮法でみます。

中筮法の際の筮具も、筮竹がなくても八面体サイコロ2個(黒、赤)で可能です。六面賽は使いません。そのかわり算木も必要
になります。

赤と黒のサイコロを一緒にふります。これを3回繰り返します。(3回繰り返すのは、一回目が地、二回目が人、三回目が天の、
三才を示すからです)筮は下から初爻、二爻、三爻、四爻、五爻、上爻と、得卦して行きます。
六爻得卦できましたら正常の爻にして行きます。

例えば1回目が赤〜初爻=乾、黒〜二爻=巽、2回目が赤〜三爻=巽 黒〜四爻=兌、3回目が赤〜五爻=坎、黒〜上爻=乾
だったとします。

そうすると、六爻得卦できましたから下から正常の爻にして行きます。これで本卦が風雷益になりますね。
中筮の場合、乾と坤を得た時は、裏返しにします。陽が陰に、陰が陽に変化します。
乾と坤が得られたなった場合は、不変の卦といいます。現在と将来に変化がない事は、現在の状態が当分続く、という
事になるのです。そうすると、得た風雷益を乾を裏返して変じると、水地比になります。この、裏返した卦を之卦といいます。
現状は、風雷益で、成り行きは水地比となる、と、します。

この、中筮をとる時は、算木に八卦が書いてあるものを使います。八卦の書いてある算木は、加藤大岳先生の特許だとの
事です。算木の左右に八卦が書かれてありますが、右側だけを使います。

さて、ご参考までに、先程例としてあげました中筮法ですが、師匠の高井紅鳳先生の、占例となります。
ペナン島で巻き絵式の巻物を、売主と交渉して安く買い求めましたが、これを持って行って価値あるものなのか、と、中筮
(六変筮)で筮しました。すると、本卦風雷益〜之卦水地比を得ました。本卦は現在、之卦は将来です。
この場合、初爻と上爻が乾なので、乾は裏返しになって、乾の陽が陰に変わり、風雷益から水地比となります。
師匠の占断は、占的の、「この絵巻はもっていてかちがあるものか」に対して益卦ですので、益で大いに得をした、
ということになります。そして之卦の比卦は、一陽五陰の卦であって、この絵巻の一陽五陰のおおくのものが仰ぎ随う
事となり、「立派ですね」「私も欲しいわ」と、言われたそうです。





Flag Counter                                            
 
inserted by FC2 system